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半蔵の心得

第2回 ヘッドハンターが重視する「心」の在り方とは

 私たちが人材を探すうえでもっとも重視するのは「心技体」です。

 今回は、テレビ東京で放送されていた経済ドラマ「ヘッドハンター」の登場人物をもとに、「心」についての解説をします。

海面の下には何がある?

 第1話は大手家電メーカーの中堅技術者・谷口(俳優は北村有起哉さん)が、主人公のヘッドハンター黒澤(江口洋介さん)のターゲットでした。優秀な技術者である谷口は転職のオファーを3回も断り、業界では難攻不落の人材として有名でした。そんな谷口の在籍していた部門が廃止され、閑職に追いやられようとしていました。

 黒澤は谷口に会い、家電ベンチャー企業が来てほしいと望んでいることを告げます。ところが、何度会っても谷口は煮え切らない態度で決断しません。実は、彼が若いころから面倒を見てくれていた先輩技術者の五十嵐(高橋克実さん)を残して1人だけ転職することに気が引けていたのです。

 結局、黒澤は五十嵐も同じ会社に誘い、二人で働けるようにするのですが、そのことは転職が決まるまで谷口には知らせずに隠します。

 この回を見ていた方の多くは、谷口は優柔不断で決断力がなく、「それほど優秀ではないのでは?」と思ったかもしれません。

 しかし、私は信頼できる人物だと感じました。それは次の理由からです。

 

①誠実かつ慎重

 候補者の中には、私がヘッドハンターだと分かると、「それで、いくらで転職できるの?」と給料のことばかり気にかける方もいらっしゃいます。もちろん、給料も重要な要素ではありますが、お金で簡単に今の職を捨てる方は、次にどこかから声がかかったらまたお金で転ぶでしょう。すぐに転職話に乗らない慎重なタイプのほうが信頼できますし、誠実さを感じます。

②人間関係・縁を大切にする

 谷口は上司の五十嵐に恩義を感じ、転職になかなか踏み切れません。人を裏切らず恩に報いようとする心は、人間的に素晴らしい人物であると言えます。日本の企業はチームワークを重んじているので、人間関係を大切にしている方は、どこに転職してもうまくいくでしょう。

③大局観

 沈みゆく大企業にしがみついている谷口は、大局観がないように思えます。しかし、彼は自分の置かれている状況も、会社に未来がないことも、業界が先細っていることもすべて分かっています。

 ただ、それに対して自身の家族や上司との関係など、すべてを考慮して二の足を踏んでいました。大局的に判断できない人は、転職の誘いを三度も断らず、すぐに飛びついていたかもしれません。

④自立心

 転職を恐れている谷口には自立心を感じられないと思うかもしれません。これは谷口に欠けていた資質というより、氷山の海面下に隠れていた部分です。黒澤が最後まで上司の五十嵐の同時転職を隠し続けたのは、谷口の自立を促すためでしょう。

 この自立心がないまま転職しても、また五十嵐に依存し続けてしまうかもしれません。

 ここで登場する谷口は私がヘッドハンターとして優秀だと思う候補者に共通する「心」をいくつも持っていました。とくに自立心と大局観は、優秀なビジネスパーソンに共通する特徴です。この2つを持っている方は、いつかヘッドハンターに声をかけられるかもしれませんね。

 黒澤のように候補者の海面の下に隠れた資質を見出し、企業とマッチングさせることができれば、ヘッドハンティングは大成功です。今の会社でくすぶっている方も、自分を認めてくれる企業は必ずあるのだと、諦めないでいただきたいと思います。

 

2018年5月24日

武元康明

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