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半蔵の心得

第3回 あなたの実力は誰かが見ている

 本コラム「心技体」シリーズの第3弾は、「技」についてです。

 ヘッドハンターが候補者を選ぶときに大切にしている「心技体」のうち、「技」は比較的分かりやすい要素です。「技」とは専門的な知識やスキルがあったり、MBAを取ったり、海外勤務の経験があるなどのほか、今までどのような部署で活躍されてきたのかも判断材料になります。

ヘッドハンターは見せかけの「技」には騙されない

 テレビ東京で放送されていた経済ドラマ「ヘッドハンター」第3話は、「技」の重要さを実感させるストーリーでした。

 主人公のヘッドハンター、黒澤(江口洋介さん)が今回ターゲットにしたのは、大手商社の女性総合職第一号の瑤子(若村麻由美さん)。バブル時代から数々のヒット事業を手がけ、バリバリやり手の瑤子はマスコミにも注目されています。黒澤はライバルヘッドハンターの響子(小池栄子さん)と壮絶な獲得合戦を繰り広げます。

 瑤子は、黒澤にも響子にも転職話に乗り気なそぶりを見せていました。ところが、瑤子のスキャンダルを告発した怪メールが2人のもとに次々と届きます。最初は瑤子につらく当たられている部下の唯(菜葉菜さん)の仕業ではないかと疑います。ところがなんと、メールの送り主は瑤子自身だったのです。

 実は、瑤子が出してきた企画・アイデアの大半は部下の唯が考えたものでした。一人で転職すればアイデアを出せないことがバレるので、瑤子は自分の転職を妨害するために怪メールを出していたのです。

 そのことに気付いた黒澤は、ターゲットを部下の唯に変更して、ヘッドハントを成功させます。一度は瑤子に騙されかけますが、転んでもただでは起きない、しぶとい黒澤の勝利でした。

 林宏司さんの脚本は、転職というテーマを通して、毎回「生きるとは何か、働くとは何か?」を問いかけている素晴らしい脚本だと改めて実感しました。

磨き上げた「技」を持っていますか

 皆さんは、上司が部下の手柄を横取りするようなことを自分でも経験されたり、社内でも見聞きされているのではないでしょうか。

 私達ヘッドハンターはあらゆる方面からリサーチし、その人の本当の「技」である実力、技術を把握するようにしています。

 したがって、候補者の経歴が完璧であればあるほど、評判がよければよいほど、私達は注意するようにしています。実際にお会いしてお話していると、話のつじつまが合わなかったり、経歴に不自然な空白期間があった候補者もいました。そういう場合は調査会社などを使って調べると、まったく違う経歴であることが分かる場合もあります。この情報社会で経歴や実力を隠したり粉飾するのは、まず不可能だと考えてください。

 そして、唯のように本当に実力がある人をヘッドハンターとしては発掘していきたいと思っています。

 唯のような「技」は、与えられた仕事を何となくこなしているだけでは身につかないでしょう。アイデアをノートにビッシリ書いていたところを見ると、唯は日頃からアイデアをずっと練り続けていることが分かります。

 そうやって自分なりの「技」を磨き続けていると、誰かが見ていて、いつかは人に知られるようになっていくのだと思います。

 

 ところで、今回の話で私が感心したのは、上司の瑤子を悪者にしていないところです。瑤子にはアイデア力はありませんが、管理力やアイデアを形にする能力はありました。

 「技」というのはけっして天才的な能力や派手な実績だけではないのです。

 現実社会では、100%悪者の人も、100%善人もいないものです。私なら瑤子にも他の会社を紹介して、適した部署で才能を発揮させてあげたいと思いました。

 彼女のような人材の「技」を活かす手伝いをすることも、私達の使命だと考えています。

 

2018年5月28日

武元康明

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