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浜通り、吹けよ追い風

福島県

基本的に私は文芸・芸術方面にめっぽう弱い。最近でこそ本を読むことが増えたものの、やはりビジネス書や新書が中心で小説を手に取ることはほとんどない。

一方、私の娘は非常に文化的で、本に漫画に映画に舞台に…と、なにかと忙しそうにしている。一体親子でなぜこんなに違うのだろうか。

家族の話はさておき、そんな彼女が先日自宅で「フラガール」という映画を見ていた。邦画を見ているのは珍しかったため、少し興味を持って詳細を聞いてみた。すると、スパリゾートハワイアンズでの実話を元に製作されたものだというではないか。スパリゾートハワイアンズは、いわき市にある大型レジャー施設。ちょうど半蔵紀行で福島県は浜通りを扱おうと思っていたときだった。これは導入に使うしかない、と思ったわけである。

 

北海道、岩手県に続き、日本で3番目に面積が広い福島県は、大きく3つに分けられる。

福島県で最も内陸にあるのが、以前紹介した会津若松がある「会津」。山通りと奥羽山脈を挟んだ県の中間、内陸山間部にあるのが「中通り」。そこから阿武隈高地を挟んだ太平洋沿岸、いわき市や相馬市などがあるのが「浜通り」だ。奥羽山脈や阿武隈川などの地形的要因によってこれら3地域は独立した個性を持っている。

「浜通り」エリアの大きな特徴の一つはその気候だろう。福島県というとやはり東北地方の一角、寒冷なイメージはつきものだが、浜通りは温暖で日差しも多い地域なのだ。会津で雪が降っていても浜通りは晴天ということもあるほどの差がある。冬に初めて訪れた際には、東京とほとんど変わらない天気に驚いたものだった。積雪も少ない。それどころか、いわき一帯は全国でも有数の日照時間を誇る。

日本海に臨む石川県能登半島で育った私の主観から言わせてもらえば、この日照時間は人柄に大きな影響を与える。本当に完全な主観だが。あの鉛色の空と鈍く光る日本海ばかりを見て育つのと、うららかな太陽を十分に浴びて育つのとでは何かが違う。そういった意味で、この温暖かつさっぱりとした浜通りエリアの気候は、「福島県のなかでも陽気でおおらか、開放的な人が多い」とされる彼らの性質に大きく寄与していると思う。

また、江戸時代には海・陸両路から江戸を中心とした関東の文化が流入した。これも、会津や中通りとは大きく異なる、「開放的」な性質に影響しているはずだ。

まさにこの性質がうかがえるのがハワイアンズである。東北地方にある施設とは思えないほどの明るさと陽気さ、開放感を備えた空間。そこに携わる人々が困難にも「前向きに」向き合っていく姿を描いているのが、件の映画である。

 

しかしこの浜通りエリアは、2011年に起きた東日本大震災以降で甚大な被害を受け、現在も復興途上にある。県内産の農産物や海産物の風評被害もまだ続いている。

いわき市はサモア独立国のホストタウンに決定し、同国ラグビー代表チームの事前キャンプが行われた。また、「復興五輪」の名の元開催される来年の「東京2020オリンピック・パラリンピック」で、福島県では野球とソフトボールの競技が開催される。浜通りエリアの人々の「前向きさ」や「おおらかさ」が、復興の追い風となることを願ってやまない。

 

2019111

武元康明

半蔵が食べた福島県のうなぎ屋

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