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うなぎとマイペースと埼玉と

埼玉県

9月に掲載した半蔵紀行では、うなぎ愛を炸裂させた記事を書いた。たくさんの方に読んでいただけたようで、ありがたい限りである。

そんな自称うなぎハンター(?)の私が未だ行きたいお店を残しているのが、埼玉県だ。

特に浦和市は沼地が多かったため鰻屋が多く、「うなぎの街」として打ち出し鰻屋ガイドMAPを各店で配布している。

 

ただし、埼玉ときいてうなぎを思い浮かべるのは私のような「うなぎハンター」ぐらいかもしれない。一般的には、今年の前半ヒットした映画『翔んで埼玉』のような自虐的な面が強い県、という印象が強いのではないだろうか。私が学生だった80年代には、「ダ埼玉」「ク埼玉」という言葉も流行した。

自虐、というのは難しい性質で、愛着や自信を持っているからこそ自虐的なジョークを許すことができるという見方もあれば、自信がない部分に対し先手を打って言及することで傷つかないようにしているという風にも捉えられる。心理学など学術的にどう見なされるかはわからないが、こうした「得体の知れなさ」も埼玉らしい部分だと私は思う。埼玉県出身の知人にはマイペースで、どこか掴み所がない人が多い。自分の世界をしっかり持っているが、それを他人に理解してもらわずとも満足できる性質なのだろう。競争心も少ない。

2024年に刷新する新しい10000円札の顔としても脚光を浴びている渋沢栄一は埼玉県出身だ。私が最も尊敬する人物の一人でもある。近代日本経済の父と称された彼は、儲けのためならなんでもやるといった話や、偉ぶっていたといった話を持たない。論語の精神に基づき、道義に沿った商売や利益は皆の幸せのために使うといった考え方や経営理念を持っていた。こうした穏やかさや、周囲に多く居たであろう野心的な経営者たちに影響されないマイペースさは、埼玉ゆかりのものなのかもしれない。

 

長々と話をしたが、やはり私にとってはうなぎである。冒頭で「未だ行きたいお店を残している」と述べた。そう、「残している」のである。埼玉出身ではないが、私もマイペースな性格。期待値の高いお店は後の楽しみにとっておいて、ふと気が向いた時に訪れたい性質なのだ。こうしたワクワク感を常に持つことが人生を楽しくする秘訣ではないか。

兎にも角にも、世間がなんと言おうと「うなぎ」という最大の魅力を湛えている…そんな埼玉県である。

2019年1115

武元康明

半蔵が食べた埼玉県のうなぎ屋

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