半蔵門パートナーズ 半蔵門パートナーズ

お問い合わせ 資料請求
手紙・名刺をお持ちの方
お問い合わせ 資料請求
03-3221-3345

知性の芳香、庄内平野

山形県

歳をとれば取るほど、「人となり」が顔つきにも出てくるものだ。皺の入り方、何気ない瞬間に作る表情、目元の雰囲気…こうした細部に、その人の人間性が滲みでてきてしまう。だから、50歳を過ぎたここ数年「いい年の取り方をしたいものだ」という気持ちが日に日に強くなってきている。

滲み出る人間性の中でも、知性や品性といったものは、私が目指したい筆頭である。それらを専ら感じるのが、今回取り上げる庄内の人々だ。

あれはいつのことだっただろう、ANAの庄内便に初めて搭乗したときのこと。客室内の空気がどことなく凛として、まさに「知的な顔つき」の人々がずらっと並んでいるのに、気圧された記憶がある。鶴岡に企業や慶應大学の研究機関があるためかもしれない。とにかく、その空気感に面食らったものだ。

その後なんども訪問したが、庄内の印象は未だに変わることはない。知的で、洗練された場所である。

その筆頭として挙げたいのが、酒田市の老舗鰻屋「玉勘」。江戸時代末期創業、180数年の歴史を持つお店だ。この長い歴史に見合った古い建物だが、隅々まで手入れが行き届いており、どこか背筋が伸びる思いがする。建物に限らず、スリッパや靴ベラも同様。「古びた」感じはしても「ひなびた」感じはしない。ひな、とは古語で「田舎」という意味。庄内は決して大都会とは言えないが、どこか都会的な、理知的な芳香が漂ってくるのである。

この空気の背景には、江戸時代に、西回り航路の要所として栄えた酒田の存在などがあるが、今回は割愛する。彼らの知的な雰囲気は、あまり多くを語らないところにも秘密があるような気がするのだ。私も右にならえ、で、たまには言葉少なに文を結ぼう。

2020年114

武元康明

半蔵が食べた山形県のうなぎ屋

手紙・名刺をお持ちの方