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「男性が育たない県⁉」の真偽

新潟県

田中角栄という人物は、今も尚、私の心を掴んで離さない魅力をたたえた人物の一人である。

新潟県で生まれ、貧しい家庭環境で育ち、最終学齢は高等小学校。しかし、人心掌握術や実行力に秀で、内閣総理大臣まで登り詰めた。現在でも関連書籍が出版されたり、メディアでも取り上げられる機会の多い政治家だ。

人心掌握に長けているとはとても言えない私にとって、「人たらし」とでも言えるような彼のスタイルは憧れの対象なのだ。

そんな田中角栄を輩出した新潟県は、意外なことに「杉の木と男の子は育たない」と揶揄されることが多い。稲作をはじめとした農業が盛んな県のため、長男は殊更大事にされる。また、新潟の女性は働きもので、夫や男児に甘い。こうした背景があって生まれた、先の評価である。

しかし、新潟出身の逞しい人物を、角栄以外にも私はたくさん知っている。候補者やクライアントとして出会った彼らは、鷹揚かつ豪快な、快い性格をしていた。

例えば、ある会社の社長との商談の場でのこと。新潟といえばやはり日本酒であろう。鰻だけでなくお酒も大好きな私は、新潟と、私の地元石川の酒蔵の話から始まった日本酒談についつい没頭してしまった。日本酒に対する深い造詣をお持ちだった先方も、熱い語りっぷりで応じてくださる。気がつけば時間は過ぎ、肝心の商談は20分程度でそそくさと終わらせることとなった。私は「しまったな〜」と反省をしたのだが、なんと先方は契約を締結してくださったのだ。あの日本酒談が良かったのか、短い商談でも濃密な話が出来ていたのかは、定かではない。だが、先方が、ビジネスのセオリーに囚われぬ寛容な決断力を持っている人だった、ということは確かであろう。

ヘッドハンターの仕事をしていると、こうした思わぬ形での契約成立が度々生じる。「ビジネス」という余所余所しい響きをもったものの中ではなく、生身の人間との関わりの中で生きている、と感じられるのはこういう時だ。

この他にも新潟出身の知人の”豪快エピソード”を幾つか持っている。だから私は、やはり、先述の「男は育たない」という評価に違和感を感じるのだ。大事に大事に育てられたからこそ、余裕のある、懐の深い性格になるのではないだろうか。さながら、大切に育まれた大樹のように。

日本海を臨む冴え冴えとした光景の中で一瞬、大樹の葉が閃いたような気がした。

2020121

武元康明

半蔵が食べた新潟県のうなぎ屋

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