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小さな思い出とともに

香川県

少し更新の間隔が空いてしまったが、みなさんはいかがお過ごしだろうか。

地域によって状況に差はあるものの、以前と変わらない生活を送れている、という人はいないであろう。

もちろん、私もその一人。

この半蔵紀行も、状況が状況なだけに、続けるのはいかがなものかと逡巡していた。

しかしながら、陰鬱な空気が漂い各地への移動が躊躇われる今だからこそ、私がこれまで全国で見てきたもの、食べてきたもの、経験してきたことを、書き記しておきたいという気持ちが強くあり、こうして原稿を書くに至った。

昨日見ていた景色が今日見られるとは限らないと思い知らされる今日日。記憶を書き残す行為の大切さが身に沁みる。

というわけで、より一層自己満足の色が濃くなりそうな今後の紀行文。お付き合いしてくれる心優しい方はいるのだろうか?と若干の不安を覚えつつ、今回もはじまり、はじまり……

 

 

さて、「うどん」と聞いたらみなさん何県を思い浮かべるだろうか。

おそらくほとんどの人が、香川と答えるだろう。

そう、今回取り上げるのは香川県である。

個人的には博多のくたくたうどんが好きなので、讃岐うどんを食べる機会は少ない。それよりもはまっているのは「骨付きどり」。空港内に提供しているお店が何軒かあり、香川に出張した際には東京へ帰るに骨付きどりを頬張るのがルーティンとなっている。スパークリングワインをお供に、一仕事終えた後の至福の時間だ。

 

高松には大企業の四国支社などが多く、仕事で訪れることもあるが、実は生粋の香川県人との関わりは少ない。だから、こうして香川について記憶を辿ると思い出すのは、非常に個人的な思い出だ。

十五年ほど前、徳島に住む弟家族と私の家族とで揃って直島旅行をした。

海を見れば遠くにも近くにもポツポツと島が浮かんでいて、島の中には草間彌生さんのアートがやはりポツポツと浮かんでいる。

浮かんでいる、というのは私の感覚で、当然実際浮かんでいるわけではない。

青の中に存在するコブのような島々も、質素な島の中に存在するポップなかぼちゃのモニュメントも、調和しているけどやっぱりどこか不調和で…拙い表現だが、私には浮かんで見えたのだ。心地のいい不調和である。

同じように、ともに成長してきた弟と、大人になってから得た私の家族が一緒にいるのにも、調和と不調和の両方を感じた。くすぐったいような、変な感覚だ。

弟も私もお互い忙しいし、住んでいる場所も離れている。だからあれ以来そうやって旅行することはないまま。私の人生の軌跡を辿ってみても、やはり直島での記憶はどこか他の思い出から浮き出ていて、ふわふわとしているような気がする。

 

 

香川県に仕事でいくことはあっても、直島に行くことはない。半蔵紀行を書くにあたって久々に取り出した思い出だが、今あの島はどうなっているのだろうか。観光に力を入れている場所だから、コロナの影響も大きいだろう。

思い出は場所とともに生きている。あの島との接点は僅かだが、健やかにあり続けてくれることを願ってやまない。

2020518

武元康明

半蔵が食べた香川県のうなぎ屋

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