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鈍色に光る栃木県

栃木県

よく宮大工の西岡常一さんを引用しているからだろうか、私は「木」にこだわっているイメージがあるようだ。

石材って良いですよね、と言ったら意外そうな顔をされたことがある。何も石と木は対立するものではないはずなのに、心外だ。

山肌ににぶく光る巌から、幼少期に水切りに使ったひらぺったい石まで、さまざまな質感の「石」が、それぞれに個性的な表情をしているのが実に面白い。

そんな「石」の街として脳裏に焼き付いているのが、宇都宮。

移動中に、どっしりした質量を感じる石蔵が次々と車窓を過ぎていく光景は、日本各地に訪れた私でもここ以外ほとんど見たことがない。

 

だが、この石蔵の存在を知っている人は少ないのではないだろうか。

栃木県は、那須高原や日光東照宮以外にもこうした観光資源に恵まれているのだが、アピールが控えめで知名度は低い。控えめで奥ゆかしいというのは美点だが、少し勿体無い気もしてくる。

というわけで、厚かましくも私がこの場でアピールしておこう。

栃木県には、鰻屋が多く存在するという魅力も持っている!ということを。

特に足利市は鰻屋が多く、店々を巡るのに時間がかかった。私にとって、とても印象的な場所だ。

それから、先ほど触れた宇都宮市にもうなぎの名店が存在する。

しかし面白いことに、栃木市にはかつて、うなぎを口にしてはいけないという習慣があったようだ。「うなぎは神様を乗せてくる聖なる生き物だ」という伝説があり、大切に扱われていたのだ。明治ごろまでうなぎを捕るのを禁ずる命令が出ていたらしい。

それにしても、「うなぎが神様を乗せてやってくる」という伝承はあまり聞いたことがない。それほど、この地域にとってうなぎが身近な存在だったということだろう。

 

石蔵にうなぎに、何かにつけ私の気を引く県である。

だが、残念なるかな仕事で訪れる機会は少なく、地元の人との関わりもほとんどない。今度行く機会があれば是非とも、栃木の人と交流してみたいものである。

 

2021年3月11日

武元康明

半蔵が食べた栃木県のうなぎ屋