半蔵門パートナーズ 半蔵門パートナーズ

お問い合わせ 資料請求
手紙・名刺をお持ちの方
お問い合わせ 資料請求
03-3221-3345

愛媛県で商売上手なエリアは?

愛媛県

ある日私が訪れたのは、愛媛県四国中央市・川之江駅。改札から一歩出ると、初春の穏やかな風が吹いた。そんな麗らかな陽気の一方、いくつもの煙突がフレームインしてくる。

四国中央市は製紙パルプ産業で栄える街だ。駅前にはシャッター商店街があり一見すると寂れて見えるが、国道バイパス沿いに向かうにつれ、工業都市特有の静かな活気を肌で感じることができる。そしてこの街の最大の魅力は、そんな活気や空へ伸びる煙突と、自然とのコントラストだろう。駅の裏手には山が聳え、国道を超えれば海が広がる。街のどこからでも、凛とした自然を臨めるのだ。そしてそれは、灰色の煙突も同様。

緑と、青と、灰色。アンバランスにも見える対照的な光景が、不思議と共生している街なのである。

  ところで、愛媛県は、「中予(ちゅうよ)」「南予(なんよ)」「東予(とうよ)」と、大きく3つの地域に分けられる。

 中部地方の「中予」には、観光名所としても名高い松山城や道後温泉のある松山、砥部(とべ)焼の産地の砥部町などがある。松山市は正岡子規や高浜虚子、夏目漱石、種田山頭火などの文人ゆかりの地として知られており、文化的なイメージを持つ方も多いだろう。

 南部地方の「南予」は、江戸や明治の街並みが残る内子(うちこ)町や城下町の大洲(おおず)に加え、1800年頃からの闘牛文化が続く宇和島市などがあり、海側は漁業、山側は農業が盛んだ。高速道路ができるまでは峠を越えなければ行き来できなかったため、郷土色が色濃く残るエリアでもある。こちらも、観光で訪れたことのある方もいるのではないだろうか。

 対して、東部地方の「東予」は製造業のエリアだ。大企業の工場があり、今治タオルや造船で有名な今治市など、工業都市が集まっている。

広島県尾道市から延びるしまなみ海道の玄関口の今治市があるものの、観光地としてとらえている方は少ないのではないだろうか。

 こうしたエリアごとの特徴は、愛媛県の県民性にも表れているように思う。のんびりとしていて保守的な中予、豪快な南予に比べ、東予は商売人が多い。そのため、オープンマインドで外部からの声に聞く耳を持ち、事業を大きくしていく文化がある。

お金の使い方も、中予は貯金して利子を増やし、南予は一気に飲んで使い、東予はそのお金を元手にビジネスをして増やすという例え話もあるそうだ。

 四国中央市は東予に属する。工業都市の活気を湛えつつ、穏やかな自然を臨むこの街の空気はまさに、大らかでひらけた東予特有のものなのだろう。優れたバランス感覚も、商売上手な人々のセンスゆえ、なのかもしれない。

 地方に訪れる度、こうした新鮮な発見や驚きがある。

だから、仕事という枠を超え、出張を楽しむことができるのだ。

いつもの堅いコラムではなく、少し肩の力を抜いた「半蔵紀行」。たまの連載になるだろうが、皆さんにも楽しんでいただければ幸いだ。

2019年7月8日

武元康明

半蔵が食べた愛媛県のうなぎ屋

手紙・名刺をお持ちの方