半蔵門パートナーズ 半蔵門パートナーズ

お問い合わせ 資料請求
手紙・名刺をお持ちの方
お問い合わせ 資料請求
03-3221-3345

桜島を抱く土地

鹿児島県

桜島こそが鹿児島県民の気質を作ったのではないか。かの地に降り立つたびに私はそう思う。

遠くからでも、すぐ隣にそそり立つような気がしてくるあの存在感。威風堂々、豪快磊落…慣れないながらも漢語で表現したくなるような力強い佇まいである。そしてその力強さは形ばかりのものではない。今も活発に活動を続ける火山島でもあるのだ。

部外者ながら、あの山を臨みながら生きることに大きな意味を感じる。

 そんな桜島と共に生きる鹿児島の人々は豪快だ。あの山を見て育ったのはもちろん、拭ってもぬぐいきれない火山灰をあっけらかんとやり過ごす日々が、そうした人格形成に影響を与えているのだろう。

この火山灰は、家や車の上に積もるだけではない。大地全体に降り注ぐ。幾たびもの噴火に伴う火山噴出物によって作られたシラス台地は、鹿児島県の50%以上土地を占める。そして、この土地は水はけがよいため稲が育たない。したがって、古くから武士、特に鹿児島城下以外に住む郷士らも平時は農業を行い、かろうじて育つサツマイモや雑穀を育てていた。この貧しさに耐えなければならない風土が、豪快な一方堅実な鹿児島県人の気質を生み出したのだろう。

当然、歴史的な背景もある。

江戸時代中期から始まった薩摩藩独自の教育制度「郷中(ごじゅう)教育」だ。同じ地区(郷中)に住む武士の子弟たちが集まり、年の上の者が下の者に手本を示しながら勇気や根性を養い、日常生活のしつけを身に着け、武芸の鍛錬を行ったという。

鹿児島県は郷土愛と仲間意識が強く、仲間以外には排他的ともいわれるが、それは長年島津家の支配下にあって主君や年長者に従うといった「郷中(ごじゅう)教育」の教えが根付いた結果といえるのではないだろうか。

では、女性たちはどうだろう。一般的に「薩摩おごじょ(薩摩の女性)」は、内助の功であり、芯が通ったしっかり者と称される。九州は今でも男尊女卑が色濃く、特に鹿児島はその傾向が強いというイメージがあるかもしれない。

しかしそれは対外的な部分だけ、私が知っている薩摩おごじょたちは女傑揃いだ。さっぱりとした性格で、男性を立てるばかりではなく彼女たち自身もしっかりと発言する。仕事もできる。篤姫はその典型だろう。

鹿児島男・薩摩隼人の性質は「ぼっけもん=勇敢で根性の据わった豪傑」といわれるが、それは男性に限らず、鹿児島県人全体に通じる気質だろう。

鹿児島は、西郷隆盛をはじめ幕末期に数々の豪傑たちを輩出してきた。彼らの背中に、どこか桜島の面影を感じるのだ。

                     201992

                                    武元康明

半蔵が食べた鹿児島県のうなぎ屋

手紙・名刺をお持ちの方